秘密の友達

7/11

1112人が本棚に入れています
本棚に追加
/216ページ
あれほどの巨体が現れ消えた事に、魔法への純粋な憧れと圧倒的な現象を引き起こす力への畏怖… その相反する感情を感じたヒカル。 自分はもし力を手にした時、己を律して正しく使うことが出来るのか一抹の不安を覚える。 そんな気持ちを持て余していると、頭の中にヒカルを呼ぶ声が響く。 「……ヒ……ル…」 「…ヒカル聞こえる? 大丈夫?」 そこにはヒカルの顔を心配そうに覗き込む、小さき竜の姿があった。 『心配させて、ごめんね。 僕は大丈夫だよ。』 「ほら」と笑顔を作り、安心する様に胸元に抱っこする。 考え事をしていたせいで、呼び掛けられているのに気付かなかったらしい。 まだ少し不安なのか上目遣いで、 「ジッ」と見詰め、ヒカルの気持ちを確かめようとする。 揺れる心を精一杯落ち着かせるヒカル。 『大丈夫、僕は元気だよ。 この頭の中に聞こえる声が、君なんだよね? 名前を教えてくれる?』
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1112人が本棚に入れています
本棚に追加