出逢い

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出逢い

『しかし、アニエスも商売上手じゃな。 見ていて、相手が可哀想に思えたぞ。』 発した声の持ち主は、身長が15センチ程の小人族の少女。 からかう様な仕草をして相手を見詰める。 『フレア、そんな事を言うと晩御飯は自分で作ってね。 料理上手でしょう。』 そうフレアに切り返したのは、30才前後の鋭い目付きの女性。 『そんな後生じゃ~』 このやり取りは2人が知り合ってから、アニエスの殺し文句になっていた。 『人をからかうからですよ。 食いぶちを稼がないといけないのだから、そんな甘い事は言ってられません。』 メガネを直しながら、ピシャリと断言する。 『分かった降参じゃ~ だから・な! 今晩の楽しみにしていたチキンの包み込み焼きを、作ってくれ~ 世界一に慈悲深きアニエスよ~』 必死になり、機嫌をとるフレア。 そのオロオロ加減が可愛かったので、今回だけですよと言いながら機嫌を直す。 そんなやり取りをして、次の町を目指しているとー
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