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2人は視線だけを合わせ静かに時間が流れる、太陽がその輝きを弱め始めた頃、どちらともなく微笑み。
お互いに何も言わずに、またもとの様に夕暮れまで勉強を再開した。
ヒカルの思いをイリスは分かってくれたようだ。
………
知恵熱が出そうなぐらい知識を詰め込んで、イリスと別れてから家路を急ぐ。
家に近づくと、小さな女の子がフラフラとおぼつかない足取りで歩いている。
『こんばんは、どうしたの?』
どうかしたのかと声を掛けるヒカル。
でも返事はなく、虚ろな瞳と呼吸の不規則な音だけが夕焼けで赤く染まった通りに静かに響いた…
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