護るべき時

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「ぐぁっ!」痛みで体が強張ったタイミングに、詠唱を終えたヒカルが叫ぶ。 『 白 雷 !』 ヒカルの眼前に集まっていたバチバチと渦巻く光が、男に向かって解き放たれたように進む。 硬直した体に追い討ちを掛ける様に、意識を奪う程の痛みと痺れが襲い掛かった。 「ガガァ…」と声にならない叫びを放ち、膝から崩れ堕ちる。 その光景に、威力を分かっていなかったヒカルと、子供が放ったあり得ない魔法のタイミングと威力に思考を停止するリズ。 そこに… 「きぁっ!」ともう1人の侵入者に突き飛ばされたルイが体制を崩して倒れこんだ。 男は勢いをそのままに、入口脇にある窓へと飛び込み、怪我を恐れず破壊して逃走した。 「逃がすか!」と入口を守っていた騎士が追いかけて出て行く。
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