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ルイの可愛らしい悲鳴で気が付く、ヒカルとリズ。
「ルイ大丈夫?
大丈夫なら、その男を捕縛して。」お尻を擦りながら起き上がろうとしていたルイに指示を出し、意識をヒカルの方に向けるリズ。
『ヒカルちゃんは、この男を知ってる?』
「面識は…」答えようとしたところで、リタが背中に抱き付いてきた。
少し待ってとリズに目配せをすると、リズも苦笑しながらも頷いてくれる。
『リタ、怖かったの?』
背中ごしに首が縦に動くのが分かる。
『もう大丈夫だよ。
お姉さん達も居るからね?』
『違う…
そうじゃない…』
何が違うのか…?
「怖かったって、侵入者の男達が怖いのじゃないの?」分からないヒカル。
『ヒカルのバカ…
あんな事をして、怪我したらどうするの?
…嫌よ』
よく考えれば分かったはず、リタは両親を亡くしたばかり…
ヒカルは気遣えなかった事を反省するのであった。
『ごめんねリタ、心配させてしまって。』
『うん。
頭では分かってる、ヒカルが守ろうとしてくれたのは…
…ありがとう。』
分かったつもりになっても、人の気持ちは…心は改めて難しいとまだ幼いヒカルは思うのであった。
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