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「リズ様、お通り下さい。」お城の門番がリズお姉ちゃんに向かって背筋を伸ばし、右腕を心臓の位置へと持ってくる形で挨拶をしてくる。
「ご苦労様。」と、一言掛けて歩きながら右腕を同じ様にするリズ。
『リズお姉ちゃん、今の動作は何なの?
前回アレン パパと来た時は無かったよ?』
『あぁ、あれね。
あれは団員同士がする挨拶みたいなものよ。
大切な人を誇りに掛けて全力で護りますって言う意味合いなんだよ。』
『そんな意味があるんだ~
アレン パパもしてたのかな?』
『アレン様も騎士団に居た時にはしていたわよ。
その姿も凄く凛々しくて、ファンの女性達がウットリと見詰めていたわ。
私もその姿が忘れられなかったから、アレン様が教練に来てくれた時に運命を感じたの。』
その時の事を思い出しているのか、瞳が恋する乙女だよリズお姉ちゃん。
騎士団が勢揃いした時にやったら、凄く迫力があるんだろうなと思う。
一度アレン パパにお願いして、見てみたいな~
『そろそろ試験会場よ、ヒカルちゃん。』
その言葉で視線を通路の奥に向けると、2人の女の子が扉の前に立ち待っている。
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