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「私達はもう時間だから行くわね?
くれぐれも内緒よ。」と、シャルロットの手を引きながら、ばれないよね?と頭を抱え込んでいる。
シャルロットはヒカルに向かって無邪気に、頑張ってねと小さく手を振っていく。
残された2人は、お互いに気まずい雰囲気に耐えきれずに、
「「入ろう…」」試験をする部屋へと足取り重く入るのだった。
『あなた方、何を騒いでいたのですか!?』
部屋に入るなり、一喝される。
怒鳴った相手を見ると40才過ぎの女性で、学校の教頭先生を思い出すような鋭い視線を向けている。
『ヘレン女史、申し訳ありませんでした。』
リズお姉ちゃんが緊張した面持ちで謝罪している。
姫様の前でも、どちらかと言えばフレンドリーな感じだったのにヘレン女史と呼ばれた女性には背筋を限界まで伸ばし、まるで軍隊の敬礼のよう。
「貴方がヒカル君ですか?」リズお姉ちゃんから視線を移し、まるで品定めをされている様に頭から爪先まで観察される。
『はい、今日はお願いします。』
リズお姉ちゃんの気持ちが分かる…
なぜか姿勢を正して挨拶をしてしまう、そう言う雰囲気の人いるよね?
『話は聞いています。早く席に着きなさい。
リズ、貴女は席を外しなさい。』
『はい…!
じゃヒカルちゃん、終わる頃に迎えに来るわね。』
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