7人が本棚に入れています
本棚に追加
空中に浮く黒板消しは、黒板を隅々まで綺麗にしていく。
チョークの粉が黒板を伝って、小雨のように落ちていく。
それを眺める私の隣で、とても嬉しそうな表情をする女の子がいる。
「木戸さん、ありがとね!」
微笑みながらそう言う彼女に、私も同じように微笑む。
あ、次の時間は体育館で身だしなみ指導だ。みんなを移動させなきゃ。
「みんなー! 体育館に移動してー。教室閉めるよ」
次々と教室から出ていく姿を見て、とても優越感にひたっている気分だ。
私の呼びかけにより、クラスのみんなが応じてくれた。学校がこんなにも楽しく思えるのは久しぶりだ。
最初のコメントを投稿しよう!