魔法の誕生日

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 ベッドから立ち上がり、部屋にある鏡で軽く髪型を整える。  出入口である扉のドアノブを握り、少しひんやりとした感覚に包まれると、視線を扉のすぐ横に掛けてあるカレンダーに向け、今日のスケジュールを確認した。  “ラテーナ 誕生日”  そう。今日、四月六日は私、ラテーナの誕生日。  待ちに待った十六歳の誕生日なのだ。  なぜなら、私の血統では、十六歳になると、ある程度の魔法が使えるようになるらしいのだ。  昨日まで母親の使う魔法を見ては私もやりたいと泣いてすがっていた。  しかし、十六歳に満たない私は魔力がなく、当然魔法の使い方を教えてもらっても発動することができないのだ。
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