人質人材派遣株式会社

3/3
264人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ
田舎は最低賃金で734円くらいだ。だから応募したのに断られた… でも、この求人は時給1万円。 かなり魅力的だし。 かなり…いや、それ以上に良いんじゃない? 会社…会社名は? ポケットティッシュを穴が開くほどに見つめた。 「人質人材派遣株式会社」 はっ?? 意味わかんねぇ? あ…シャレ? きっと、社長がユーモアがある人で愉快な名前つけたんだ…。 うん、きっとそうだ! たぶん…そうだよね? ティッシュには番号も書かれてる。 携帯を持ち直し番号を一つ一つ押す。 かなりドキドキと鼓動が早くなる… 番号を押し終えると耳にあてた。 プップップー 電話を繋ぐ音が聞こえた。 今思えば…、あの時…電話なんかかけなければ良かったんだ。 もっとバイト探しを頑張ってたら。 今…こんな…こんな悲惨な状態じゃなかったんだ。 平凡に生きて来たのに…銃なんて突き付けられる事なんか有り得なかったんだぁ。 ーキム兄のバカぁぁー
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!