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「そうだ逃げなきゃ、邪魔になっちゃう」
神楽が踵を返す。
ロボットのパイロットに言われて自分のおかれている状況をやっと思い出したようだ。
しかし、ここで一聖が予想だにしない事態が起こる。
二号機を狙っていたヴェノムが神楽目掛けてビームを放ったのだ。
『止まれ眼鏡っ娘!』
「ひゃっ、はい!」
突然の事に足を止める神楽。
そしてヴェノムのビームは神楽の数十メートル前の道路に着弾する。
ヴェノムの狙いがそれたのは、一聖が己に向けられたビームを神楽を狙ったヴェノムに弾き飛ばしたからだ。
しかしビームの着弾で小規模ながら爆発が発生。
「きゃあ!」
神楽は爆風で1、2メートル程度だが後方へ飛ばされてしまう。
「あ痛たぁ……ああ!!」
体を起こす神楽。
特に怪我はなかったようだが、問題は手に持っていた物だ。
「私のグッズがぁ~」
先ほどの爆風で抱えていた荷物の大半が吹き飛び、手元に残っていたのは買ったばかりのDVDが2枚のみ。
震える神楽。
しかしそれは恐怖や悲しみではなく、たんなる怒りだった。
「私のグッズ返せ、馬鹿あ!」
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