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身体測定を終えた勇と合流して、これからどうするか玄関先で話す。
「オレは帰りたいんだけど」
琴音はずっとこの一点張りで、寄り道もせずに直帰したいと言い張る。
「カラオケとか行こうよ・・・」
遥は3人で遊びたいらしく、どうやって琴音を説得しようか悩んでいる。
そのやり取りをただ単に眺める勇は、正直どうでもよさそうに欠伸混じりに聞き流している。
(・・・巧の性別が変わっても、この二人のやり取りは変わらないなぁ――・・・これって、安心してもいいのか悪いのか・・・)
勇がそんな事を頭の片隅で考えていると――
「あ――もう、こうなったら勇がやりたいことをこれからしよう!」
「あー、この際これでいいよっ!」
(・・なんか、変な方向に話が進んでないか?)
ずい、ずずいという擬音が勇の耳に聞こえた。
それもそのはず、琴音と遥が目を光らせてほぼ同時に勇の方へと振り向いたのだ。突然のことに、思わず半歩引き下がる。
「な、なんだよ」
「「勇」」
「帰ろうよ!」
「カラオケ行こ!」
二人同時にそれぞれ違うことを主張してきた。
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