428人が本棚に入れています
本棚に追加
「――?」
巧馬の意識が戻った時、その視界に入ってきた光景は見慣れないものだった。
普段使わないベッドに横たわって、鼻をつくアルコール消毒の匂いのする部屋にいることから、自分が保健室かどこかに運ばれたのだろうと推測する。それでも、記憶にある学校の保健室とはかなり異なる雰囲気に、巧馬はさらに考える。
向かって左手には、最近流行りの液晶テレビが設置されていて、その上段にはテレビカード挿入口と書かれた機械が設置されている。その隣に無造作に置かれている机には、また無造作に果物バケットが。そして反対側を向くと、冷蔵庫が置かれている。そこで、巧馬はようやく自分が置かれている状況を察した。
――病院。しかも、個室に自分はいる。
最初のコメントを投稿しよう!