第02章 女として…

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――琴音が遥に執行した『大目玉笑い地獄の刑』について説明しよう(作者) 部屋の隅まで遥を追いやったことはここまで読んだ読者なら分かっているだろうからそこらへんは省略するとして、まず大目玉。 まぁ簡単に言うと数分間、遥の頭(前頭葉の辺り)を平手打ちでパシパシ叩いた後に琴音の全力のグーパンチをお見舞いするという、至極単純な刑。 ……まぁ、平手打ちで混乱してきた遥にグーパンチというのは、かなりのダメージだったろうと思う。……で、笑い地獄――……は… 簡単に言うと『脇腹くすぐり攻撃時間無制限』…聞いただけで両腕で両脇腹をガードしたくなるような名前だけど、前者が終わった後に立て続けにこれがくると、防御の仕様がない。なぜなら、頭を叩かれて思考回路が機能しないから…… ――で、実際の『笑い地獄』の様子を見てみると―― …… … 「ちょっ…あは…琴…音……らめっあひゃはは…っはっはぁ…らめぇえぇえぇぇぇぇ!」 「ほれほれ~ここか――ぁ!ここがえぇのか――ぁ!!」 逃げ惑う遥を執拗に追いかけていく琴音はさながら「変態オヤジ」という表現がピッタリ合うような気がする(by作者) 「もう二度と無断でこんな事するなぁあぁぁぁっ!!」 「わ、わひゃ…わひゃっらあら、も…もぅやめれぇえぇぇ!!」 完全に呂律が回らなくなっている遥は、全身の力が抜けてしまっているのか、完全にうつ伏せになって口元からよだれがだらしなく流れていて…何というか、卑猥な感じがする… で、琴音はそんな状態の遥の腰の上に跨り脇腹を両手でこちょばし続けているが、完全敗北宣言を聞くとその動きを止めた。……この攻防は、30分間以上続いて……もう夜10時を過ぎていた。 「――ねえ遥…大丈夫…?」 ……この後に聞くのは妙かもしれないけど、なんか遥の様子がおかしいような気がして訊いてみた。 「ハッ…ハッ……ハッ…」 ……肩で息をしている遥は、目の焦点が完全にあっておらず、口元が緩みよだれが垂れ、舌がだらしなく出ているその姿は、まるで――犬… 「――……」 とりあえず、遥が落ち着くまで一緒にいた方が良いかな……明日――休みの日だし、問題ないよね?…… まぁ、遥の事だから、おばさんにもちゃんとこの事言ってあるんだろうし… ―――あ、お母さんにメールしておかないと……
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