第02章 女として…

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* * 母さんに今日遥の家に泊まるとメールを入れた直後のこと―― 「はるちゃーん、何かものすごい音がしたけど――…って、あれ?」 「――!」 何の前置きもなしに突然扉を開けて入ってきた人は、遥のお姉さんの――莉子さんだ。 で、彼女はオレを見るやいなやズズイッと近寄ってきて――野生の動物が何かに興味を持ったようにオレの周囲をぐるぐる周って――なんか、物凄い珍しいものを見る目で見られる。 「ッあの、オ――」 「ふふっ、言わなくてもわかってるよ、巧馬…ううん、琴音ちゃん♪」 「!?」 莉子さんがオレから離れた時に自分が言おうとしたそれを先に言われてしまって拍子抜けしてしまう。 「ハルちゃんから写メ見せてもらったけど、本ッ当に可愛い――!」 「うぇあぁ!?」 次の瞬間、莉子さんはこう言いながらオレを勢い良く抱きしめてきて…何か柔らかいものが顔にあたっていると思ったら…むむ胸ぇ――!?もがいているにも関わらずに莉子さんはこれでもか~と言わんばかりに柔らかいそれを押し当ててきて――本格的に呼吸困難に陥りかける。 「む…むがぁ…」 (――遥をダウンさせたのは失敗だったかな…) 今更こんな事を考えるオレだった… ――― ―― 「琴音は今日はるかちゃん家に泊まるらしいよー」 その頃の糸井家の居間。上の発言は琴音’s母。 「へーぇ、なんでだろ…」 折りたたみ式の携帯3Dゲームをとタッチペンをそれぞれの手で持って、和希がそれに反応してくる。 「――まぁ、ゲームでもしてるんじゃない??」 「かもねー」 * * 「つまり、女の子の身体の仕組みはこーなっていて…」 「ふおぉぉおぉぉ…」 遥の保健体育の教科書を床に広げて、莉子さんを教師に女体のレクチャーを受ける琴音…。 母と和希の予想は完全に外れてました
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