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「う――寒い・・・」
暖房の効いた屋内から外に出た瞬間、北風がオレを直撃して、肩をすくめて身震いすをする。
「やっぱ寒いなー」
遅れて勇と遥が家を出てきた。
「しっかし、わざわざうちに来なくても・・・」
出てきた二人を見ながら言う。
「まぁ・・・」
遥が勇の様子をうかがうようにちらっと見上げて――
「・・・なんとなく、琴音の家に来てみた程度なんだけどな。」
「・・・。」
・・・コントみたいな二人の語りを寒いと思ったのは外気温のせいだけじゃないと思う・・・
「・・・そう。」
――だからオレの反応も、こうなってしまう。
「おまんたいつまでもそんなトコにおらんと、早よいってきないま。時間なくなっても知らんそいね?」
『!!』
そんな母さんの声が背中の玄関から聞こえてきて、オレたち三人は促されるように歩き始めた。
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