第03章 入学準備

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――琴音が「寒い寒い」と連呼して、それなら暖房の効いたカラオケ!とすかさず遥が猛アピールしてきたが、琴音はそんなのお構いなしに「家に帰る」と連呼を続けた。 そんな折、琴音が不意に俺に近づいてきて―― 「・・・あったかい・・・」 ・・・何を思ったのか、そのまま抱きついてきやがった。 「え、ちょ・・・琴音!?」 抱きつかれた俺はその場で身動きがとれなくなる。 「・・・帰ろ、勇・・?」 「・・・。」 お前、いつの間にそんな技を身につけた!?遥が言うには、女子更衣室で真っ赤になるほど照れていたらしいじゃないか・・・それがどうしてこんな事してきやがる。わけがわからないよ。 「・・・帰るか、遥。」 「!!」 遥は、「勇が琴音に骨抜きにされた!?」と(当然)驚いた。 ・・・で。 「おい琴音、動けないんだが。」 どうやってしがみついた琴音を動かすか、これが新難題になった。
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