第03章 入学準備

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* 翌日、朝。 「おっはよ~!琴音!」  朝食を食べている最中、午前8時を少し過ぎた頃に遥が嵐のごとくやってきた。 「……まだご飯食べてるんだけど……」  おまけに寝間着だし。と面倒臭そうに遥に向かって言う。言われた遥は、そんなの知ってるよと言わんばかりに開き直って―― 「琴音が逃げ出さないように、見張りに来たんだよ!」 そうカンラカンラと笑って言う。言われた琴音が、遥を見上げて失笑したのは必然……だろうか。 「――そいえば、勇は?呼んだはずなんだけど。」  いくらなんでもこんな時間からくるわけ無いでしょう!と心の中でツッコミを入れてから「勇なら、昨日来てたけど……そんなこと、言ってなかったよ?」と味噌汁のお椀を片手に答える。 「あっそう。ところで――」 「ん?」  遥の目線が、琴音が持つお椀を凝視していることに気づく。 「美味しそうだねぇ……そのお味噌汁……」 「ひっ!?」  琴音が見た遥の目は、腹をすかせた肉食獣が獲物を見つけた時のようだった。
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