第04章 やり直しの卒業式

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 遥に先導されて、やってきたのは駅に隣接している観光物産センターの一角にあるイベント用に区切られた区画。 「ねえ遥」 「なに?」 「なんで扉の脇に“一歩遅れの卒業式!”って、書かれているの?」 「あ、ホントだ。」  私の問に、勇が遅れて気づく。 「ふふん、私が色んな所に根回しをして、便宜を図ってもらったのだ!」  両手を腰に当てて、どうだ参ったかと言うような雰囲気を醸し出す遥。その姿を見ても私はなんとも思わないでただ「それで?」と言い返すだけで遥の期待する反応ではなかったのか、「おいおい」と遥がよしもとよろしくのコケ芸を見せてくれた。 「で、琴音はここでちょっと待っていて欲しいんだよね。準備というものが……」 「へ?」 「あ、勇は一緒に来て。手伝い。」 「え、あ。おい待て引っ張るな……」  一瞬のうちに勇の手を引いて遥が部屋の中へ消えていく。1人残された私は、廊下で不毛な時間を過ごすことになってしまう。
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