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「じゃあ、僕も呼び捨てにしてよ」
僕は計画を実行に移す
「ヒジリ」
そこですかさず
「じゃあお互いの名前で呼ぶのは親しくなってからにしようか」
「だから、ヒジリ」
はい、頓挫頓挫
全く計画通りにいかなかったし……
「イジリとヒジリとヤジリ、どれが良い?」
この子、既に語呂で選んでるだろ……
「ヒジリ、かな……」
「ちっ」
舌打ちが聞こえてくる
「ちって言われても……」
女の子って本当に怖いな……
油断したらどんな名前で呼ばれるか分かったもんじゃない
ドラマやテレビで見るような……
純情可憐、や大和撫子なんて居やしないんだろうな
「ってゆーか、ホントにわたしの事知らないのね……」
さっきも言ってきた言葉を再び聞く
「有名人、なの?」
「一応、そうらしいわ
あ、このガッコではって事よ?」
有名人と聞いて出てきたのは華々しく活躍する芸能コースの人達と思ったけど……
違うみたいだ
「一年?」
「二年だよ……」
「へぇ……」
そんなに驚く事なんだろうか……
「じゃあ、ヒジリ」
呼び捨て……
何か特別な関係に誤解されたらどうしよう……
た……
例えば、恋人とか……
「な……何?」
「この絵、貰っても良い?」
「それは写生の課題で出すから……」
「射精の課題?」
こら、女の子……
「写生、ね」
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