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～昼休みの学食～
僕には幼なじみが二人いる
漫画やゲームなら、幼なじみ＝美少女なんだけど……
僕は現実的に男二人だ
それもこの学校に通っている
一人は、さっきグラウンドで会った池上 颯斗
僕の向かいの席でラーメンを啜っているヤツを見る
専攻はスポーツ、野球をメインにしてるみたいだ
少し筋肉質で色黒、爽やかと言うか、アツい男だ
もう一人は……
カツ丼とうどん、それにサンドイッチの前に座っている巨躯の男を見る
おそらく、この学園で一番の身長だろう
203cm、二年で剣道部のエースを張る『この学園最強』の異名を持つ男……
不動 誠 （ふどう まこと）
その身体を維持するには、相応の食事量が要るんだろうか……
ともかく、食べる
僕とハヤトはそれを見慣れてるから普通にしてるけど……
初めて見る人は胸焼けを起こさせる程の圧巻さだ
「そーいや、おがっち」
箸を止めて、質問してくるハヤト
「ん－？」
ハヤトは、小神をモジって『おがっち』と呼んでくる
特に不満はないんだけど……
あれだね
何だか強い不良みたいなあだ名だ
「あれから、何描いたんだ？」
「ほぅ、聖は写生の時間だったのか……」
誠は箸を止めずに話に加わる
量が量なだけに、食べながらでないと時間を潰してしまうらしい
「あぁ、うん
狂い咲きの桜を描いてたんだ」
「女子寮の裏手のか？」
誠が顔を上げて聞いてくる
「うん、スゴいよね
時期をすっ飛ばしてずっと咲いてるとかさ」
「でも、アソコって不良の溜まり場になってなかったっけ？」
ハヤトが顎に手を当てて考える仕草を見せる
「そうなの？」
「あぁ、何でも、女子の露天風呂が覗けるスポットがあるとか無いとか……」
それは犯罪なのでは……
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