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~女子寮前~
さて……
午後の授業も終わって放課後となった時刻だ
寮前も女学生で賑わっている
この状況下で狂い咲きの桜の場所に行くのはかなり勇気が要る
女子の群れ(動物みたいな言い方だけど)に単身突撃しなければならないのだから……
少し深呼吸をする
あまり立ち止まってても変態に間違われるだけだな……
よし、行こう
そして裏手に向けて歩き始める
何度か此方に視線を向けてくる女子も居る
(気にしない
気にしない……)
そのまま裏手に抜けて、更に整備されていない道を進む
「女の子って色々と未知の生物だよね……」
まるで異星人とコミュニケーションをとるみたいだ
少し歩いたら、桜の方から声が聞こえる
談笑している声みたいだけど……?
桜庭さんの友達でも来てるんだろうか?
1対1よりも比較的楽かもしれないな……
僕は背の高い草を掻き分けながら桜の前に顔を出した
ざっ!
草同士が擦れ合う音と共に僕は桜の前に出た
そこに居たのは……
桜庭さん……ではなく……
「あぁ?
誰だコイツ?」
5人くらいの……
「何か用かコラァ?」
不良……だった
モヒカン、リーゼント……
なんて前世的な不良達なんだ……君達は本当に高校生なのか……?
制服を見たら、ちゃんと高等部の制服だし……
タイの色は……?
一目で上級生下級生を判断できるように、男子はネクタイの色が学年ごとに……
視界の端に青色のタイが見える
因みに、一年は青色
二年は黄色
三年は赤色
といった感じだ
と言う事は……
目の前に居る時代錯誤の不良達は一年下……?
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