桜花見参!

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「何か用かって聞いてんだよ?」 不良1が僕に凄みながら話しかけてくる ……髪型はアイパーだ 「おぅおぅおぅ!  きいてんべ?」 僕は不良があまり好きではない というか、話すのに緊張すると言うか…… 要は、ビビってしまうんだ それは僕だけじゃないはず…… 「えーと……」 僕は頬を掻く 『桜庭桜花さんが此処に居ると思いまして……』 とでも答えるか? ってゆーか、向こうがタメで話して 何故先輩の僕が敬語なんだろうか…… いやまぁ…… 僕がヘタレなだけなのかもしれないけど…… ここはあれだ…… 先輩としての威厳を保ちつつ、この場を切り抜けるような発言で…… 「創作活動に来たんだけど……  残念、使用中みたいだね」 ど……どうだ、この爽やかな感じ しかも余裕すら感じる受け答えじゃないか 「創作活動だぁ?」 僕が持っているスケッチブックを見る不良2 「マジで?  絵ぇ描きよんの?」 珍しげにこっちに寄ってくる不良3 って、うぉぉ…… 逆に不良達が集まってきた…… 「……よっと」 不良4が僕からスケッチブックをかすめ取る 「あっ」 「芸術科ってヌードデッサンとかあるって聞いたぜ?」 「マジでマジで?」 不良4が、かすめ取ったスケッチブックを開く 「こっからも女子寮の露天風呂が見えるらしいしなー」 「創作活動ってそっちかよ」 ゲラゲラ笑いながら覗き込む不良5 「ちょっ  返してよ」 「あ?」 不良4がスケッチブックを捲りながら声をあげる 「っだよ  風景っての?  つまんねぇもんしか描いてねーじゃねぇか」 どうやら、僕の言葉は無視らしい 「返してって言ってるだろ……」 「こりゃだめだー」 その内の一枚を…… 不良4が破り取る 「!」 「つまんねぇなぁ……  こうでもしねぇとよっ」 更に破り取った絵を複数回に分けて破る 「何……してるんだ……」 「桜吹雪に紙吹雪~ってな」 細かく破った僕の絵を上に放り投げる
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