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……チャイムが鳴ったって事は、当然僕も何かを描かなければならない
写生は授業の終わりに提出する決まりがあるからだ
描けない時もあるにはあるけど……
僕は、なるべく提出している
今は高等部二年になるけど、一度だって提出を怠った事はない
だからこそ、何かを描かなきゃ……
足をさまよわせて学園内をうろつく
……適当って言うのもなぁ……
モチーフに事欠かないと言ったけど、気分が乗らない時はこうしてうだうだしている時も多かったりする
そういえば、『狂い咲きの血桜』っていう七不思議があったな……
それはマユツバではなくて、実際一年を通して咲き、散り、そしてすぐに花を付けるのだという
単なる狂い咲きは開花の時期がズレるだけだけど……
花を何度も咲かせるのは……
やっぱり、何かの念が成せる業なのだろうか？
実際、この学校の名所（？）でもあるのだけれど……
僕は入学以来行った事はない
興味がないわけじゃない
綺麗なモノは好きだし、何よりも桜の花は見ていて飽きがこない
不思議だけどね
それくらい好きなんだけど……
（……よく考えたら、何で僕は行ってないんだろうか？）
ひょっとしたらインスピレーションがビビっとくるかもしれない
少なくとも行かない理由はないハズだ
コレを機に行ってみようかな……
寮の方に足を向ける
血桜は寮の裏手の奥にあるらしく……
普通に学園生活を送れば先ず出会う事はない
と言うか、学園内を満遍なく練り歩くのは芸術科くらいかな？
それぞれの学科には専用棟があり、大体そことグラウンド、食堂くらい知ってれば学園生活は円満に送れるからだ
僕も絵を描かなきゃ、基本的に決まった場所に居るしね……
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