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………
……
…
やっと寮に着く
移動時間実に19分
写生に費やす時間がかなり限られちゃうな……
確か、寮の裏手の奥……だから……
もうちょっと移動しなきゃならないのか……
行ってる途中、周りの木を見てみる
花はもう落ちて木々は青々と繁っている
もうそろそろ夏だな、と感じさせられる光景だ
思いながらも歩く
歩く
歩く……
寮自体もかなりの広さだから……
正直、中を抜けた方が早いんだけど……
(ここは女子寮だからなぁ……)
僕が入ったらあらぬ誤解を招くわけだ
それは今後の学園生活に支障をきたしかねない
とか、くだらない事を考えてる内に、隔離されたような区画が見えてくる
ここかな……?
少し背の高い草があってちゃんと見えない……
それらを掻き分けるように前に進んで……
ザッと視界が開ける。
そこには……
青々とした木々の中、淡いピンクの花びらをつけた気が一本、目に入る……
「本当に……
咲いてる……」
気温は夏間近、だけれど景色は春
「なんて不思議な感じなんだろう……」
言葉に表しようが無い
今までこんな景色見るハズなんて無かったのだから……
少し近づいて見てみよう
すると根元に机が並べられているのが見える
もう使われなくなったモノだろうか?
でも、特別に痛んでいるようにも見えない
そして木の陰にもその机は並んでいる
なんだか、ノスタルジックな感じがするなぁ……
更に回り込んでみる……
「!?」
次の瞬間、僕は言葉を失った
何故か?
女の子がその放棄されたであろう並べた机の上で寝ていたからだ
「女の子……」
口に出してみる
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