森羅学園

15/34
前へ
/75ページ
次へ
誠やハヤトには特に迷惑をかけた覚えがある。 「まぁいい  何かしたいならそれにある程度の協力をしよう」 「だな、俺もそうするゼっ」 心強いモノだ。 たった二人だけどその二人の頼もしい事…… 「ありがとう……」 程なくして教室へ着く。 「今日は一限目から数学か……」 ハヤトがげんなりした顔で言う。 「宿題、やってきた?」 「は?」 「は?って、まさか……」 「そ……  そんなんあったか……?」 「うん、この前にやったプリントの残りが宿題として出てたけど……?」 「ぐはぁっ!?」 急にハヤトが錐揉み状に吹っ飛ぶ! 「え?何で……」 「ゆ……油断してたぜっ!」 何に?と突っ込みたいところだけど、敢えてのスルーをする。 「ちなみに、その内容を応用した小テストも……」 「どぅぶるぅ!」 また飛ぶ。 「因みに、ソレは何にやられてるの……」 スルーするつもりが行動が気になりすぎて放置出来ない。 「どのくらい予想外な事だったか分かってもらおうと思って……」 「大丈夫、十分伝わってるから……」 こと、勉学に関して、ハヤトは残念な感じだ。 この前は当てられた問題を解くのに一限丸々潰したもんね…… しかもそれはワザとではないときている。 ……天然なんだよね 「と言うわけで、悪い聖。  宿題のプリントくれっ」 「ホントに悪いよッ!?  せめて写そうとしてよ……」 これもホントに悪気が無いんだろうか…… 「だってよ、俺そのプリント無くしたかもしれねーもん」 「『もん』じゃなくって、探そうよ……」 「おう、悪いなっ」 「僕は探さないよ……?」 「聖様ぁ!!!」 僕がいそいそと鞄から教科書類を机にしまってるとデカい図体のハヤトが泣きついてくる。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加