58人が本棚に入れています
本棚に追加
「何……」
「お願いだ!
一緒に探してくだせぇ!」
それ、何キャラ……
「一緒にって……
鞄でしょ?見てみたら良いんじゃないの?」
問題はそれで解決するはず……?
「それがよ、おがっち……
俺の鞄は一人じゃ開けらんねぇんだ!」
「普段どうやって開けてるのさ……」
「だから、おがっち!
お前の力が必要なんだよっ!
頼むっ!」
芝居がかった言葉に、僕は怪しさしか覚えなかったけど……
それで話が進むならそれでも良いか……
「分かったよ……」
「コレが問題の品でさぁ!」
「用意するの早いねッ!?」
開けさせる気満々だったって事じゃないかッ
「さぁ、支障、やっちまって下さいよッ」
キャラも違ってるし、多分漢字も間違ってるような気がする……
「……普通の鞄みたいだけど?
何が二人じゃないと開けれないのさ……」
「メンタル的な苦痛は一人じゃ受け止めきれねぇ……」
え……?
「メンタル……?」
急にイヤな予感が立ちこめてきた……
「ちょ……
それってどういう意味……?」
鞄を開けようとする手を止める。
「聖様ぁ!
封印を!
こやつの封印を解いて下さい!」
「封印って!」
イヤな予感しかしなくなった……
「中身、どんな状況なのさ……」
「えーと、一言で言えば……」
「言えば……?」
「琵琶共感」
何だソレ……
こんな時にボケを見せないでほしい……
「正にその一言がぴったりな内容だ!」
琵琶共感がぴったりくる状況の鞄の中身って何だ……
「え……えぇ?
うん、そうなんだ……」
結局中身が分からない……
「自分で開けなよ……
宿題忘れて困るのは僕じゃないし……」
「聖様ぁぁぁ!!?」
僕は踵を返して自分の席に行く。
「チッ!
これだからもやしっ子は……」
聞こえてる聞こえてる……
「仕方ねぇ……
いつ振りだ?
この俺自らが全力で鞄を開けるのは……?」
鞄を前に、手をバキバキと鳴らしながらセリフを決めるハヤト。
大袈裟だし、対象が鞄だし、日付を忘れるくらい開けてなかったのか……
最初のコメントを投稿しよう!