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「何ぞ?変な光が見えたのじゃが…」
異変を感じた二塚風之助、まぁ海達のおじいちゃんが、物置を見に来た。
「じいちゃん…海が……」
そこに1人いた陸は、真っ直ぐ空を見上げて言った。
「海が…どうしたんじゃ」
「あの剣を抜いて…」
「…!じゃあさっきの光は…」
「…うん。海の奴、いつあっちの世界から帰ってくるか…」
「そうじゃな、見当もつかん。代々この二塚家が封印し、護っておった剣を…海、まったく……。」
風之助は呆れて言うが、こうなってしまったのは偶然ではなく必然。
今日その時間、何分、何秒に海が剣を抜いて別の世界へ旅立ったのは、そうなる運命だったからだろう。
「せめて、無事に帰ってこい……」
陸は、今はもう届かぬ妹へ、念じるように呟いた。
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