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そう、俺が再び剣を握るきっかけになったのは…
あの日、物置を掃除していたことから始まる。
じいちゃんに物置の整理を頼まれ、取りあえず兄キと一緒に中の物を引っ張り出していた時のこと。
「あ、これお前のローラーシューズ!小っちぇ!!」
俺のローラーシューズ(24cm)を無理矢理履いてはしゃぐ兄キ。
「はぁ……。」
遊んでる暇があるなら手を動かせ、手を。
内心そう思いながらも、黙々と作業を続ける。
ゴトッ
「∑いっつ~…」
んだよ、足の上になんか落ちてきやがった。
「何これ……剣?」
「あ、海。それ触っちゃダメらしいよ」
兄キが、まだローラーシューズで遊びながら言った。
てかまだ履いてたんだ…υ
「なんで?というかなんでこんなものが家の物置に?」
(海…覚えてないのか?)
「……前じいちゃんが『それには触れるでないぞ。それには―――』って長々しく語ってたぜ。……まぁほとんど聞いてなかったけど」ボソッ
「ふ~ん」
ま、さわらぬ神に祟りなしってゆーし。
奥の方に置いておこっと。
三脚に登り、高い棚の上に置こうとした瞬間―――
グラッ
「うわッ!」
「海!?」
バランスを崩した俺は、剣と一緒に落ちていく。
落ちる瞬間、全てがスローに見え、なぜか剣の鯉口が少し開いた。
そして、抜き口が物凄く光ったのを最後に俺は気を失った。
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