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そういえば、あの告白ですっかり忘れてたけど、隆司にアサカちゃんと付き合ってたって言った時ヤツは何も言わなかったな。 キス。 アサカちゃんと。 『キスする?』 昨夜、私にそう言った隆司が脳裏をよぎる。 キス。 してたんじゃん。 アサカちゃんと。 ……ふーーーーん。 「亜美?どした?」 急に黙りこんだ私を久美子が気にしてくれる。 「やっぱりショックだった?」 「──はっ?なにが?なんで?」 久美子の言葉に、必要以上に反応してしまう。 それを肯定と捉える久美子。 「え、なに?亜美ちゃん、真木が好きなの?」 優愛ちゃんと朱里ちゃんもそれに加わってくる。 「違う違う。全然、そんなんじゃないよ」 「でも、もう別れてるから。昔のことだよ」 私の話をスルーして、優愛ちゃんに励まされる。 昔のこと。 ……キスって、いつの話なんだろ。 もしも中3の時なら、まだ1年も経ってないんじゃないかな。 隆司は私のことを好きだと言ったけど、それっていつから? つい半年前までは、アサカちゃんと付き合っていたのかもしれないのに。 「……ねえ。その、放課後の……って、いつの話なの?」 「ん?えーとね、確か、3年の春先だったかな。それで、夏休みは花火大会に2人で行ってるとこ目撃されてるし」 夏。 もうすぐ高校生活最初の夏休みがやってくる。 じゃあやっぱり、1年も経ってないんじゃん。
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