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そして、いよいよデート当日。 隆司が、観たい映画があるというので、映画館デートに決まった。 いつもは寝坊するくせに、その日の私は朝の5時に目覚めてしまった。 目覚まし時計より早く起きたのって、何年ぶり? ママにもびっくりされちゃった。    朝ご飯を済ませて部屋に戻ると、クローゼットの中に丁寧に閉まっておいた服を取り出す。 久美子と選んだデート服は、オフショルダーの花柄ワンピース。 白地に青や黄色の花柄があしらわれた、涼しげな印象のワンピースだ。 自分で言うのもなんだけど、似合ってる。 鏡の前でクルクル回って全身をくまなくチェックして、うんうん、と頷く私は、端から見たらかなりイタイ子だと思う。 ……って、おっと。 自分に見とれてる場合じゃなかった。 今日は特別な日だから、少しお化粧もするんだ。 久美子曰く、気合い入れたいのは分かるけど、入れすぎもダメだと。 お化粧はナチュラルに。 まつげにマスカラ、ほっぺにチーク、唇にグロスをほんのり塗るくらいがちょうどいいって。 慣れないビューラーでまつげをあげながら、久美子のアドバイスを心の中で反芻した。 大好きなヘアアレンジは、今日は巻くだけにした。 おろした髪の毛がフワフワと揺れるのがいいのだと、久美子師匠からのお達しだ。 どんどん出来上がっていく『デート仕様』な自分に、なんだかワクワクしてきた。 デートって、それ自体ももちろん楽しみだけど、こうして準備している時間もすごく楽しい。 女友達と遊びに行くために準備している時と全然違う感覚がとても新鮮だった。
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