1.リスタート

2/8
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
私、佐倉与未と、多野爽市は小さい頃からの幼馴染。 お互いをヨミ、ソウ、って呼ぶ合うくらい仲が良くて。 私は、ソウが私の名前を呼ぶ時の、高めで澄んだ声と優しい笑顔が大好きだった。 だから、 「俺、ヨミのことが好きだよ」 そうやってソウに告白された時、本当に本当に嬉しかったの。 何度も一緒に笑って。 手を繋いで一緒に帰って。 別れ際にはキスをして。 幸せな毎日が驚くくらい広がっていて。 私は子供なりに、このままソウと結婚できるって思ってたの。 …あの日までは。 「ソウが…死んだ…?」 中学3年生の、冬のことだった。 凍結で滑った車にひかれた、不運な事故。 それはあまりに突然に、そしていとも簡単に、私から幸せを奪った。 ソウが死んだその日は、見たこともないくらい綺麗なパウダースノーが、街を白く包んでた。 それから雪が降るたびに、私はソウを思って泣けてきた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!