ヒーロー誕生しました

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「……!来たなヒーロー!」 一瞬、誰が来たか分からなかったデオは、指をさして言う だいぶ遠くにいた青年は、デオの半径1メートル内に徒歩で接近し、自身を指している指をつまみ、その指を曲げてはいけない方向にひん曲げた。曲げたときに メチン! という、決して人体からなってはいけない音が鳴ったのはご愛嬌。 「ぎゃーっ!」 痛みでその場転げ回るデオ、どうやら怪人にも痛覚は有るようだ。しかし、絵面はかなりまずい。 「な、なにするんだ!」 痛みから回復した(でも涙目の)デオが抗議する 「人間体での戦闘」 講義に対する返答は、あまりにも酷いもので 「地味だしエグい!」 思わずデオが突っ込んでしまうレベルであった。 そんな戦闘(とは程遠い何か)の中、一人の女の子がヒーローに話しかけた 「あなたヒーローなんでしょ?」 「まあ、一応?」 「お願い!この街を…守って!」 少女の儚き思いを 「やだよめんどい」 拒否で返す……即答である。 「お願い!この街を」 「やだよめんどい」 拒否で返す……今度は食い気味に、即答である。 その場にいた全員の頭の中が は?なに言ってんだこいつ で、一致した。そして 「出来れば寝ていたい」 という、怠惰の言葉がヒーローの口から出てきた瞬間、全員が理解した こいつ、ダメ人間だ! 「こんなの……ヒーローじゃない!」 そういって、女の子は走り去って行った。どうやらヒロインではないらしい。 「ちょっと!ヒーローのくせに女の子泣かすな!」 デオが抗議する、悪が抗議ってなんかいいよね。作者好きだよ?そんな良識のある悪人。 「あー、あれだ、ヒーローがかっこいいなんて幻想、俺がぶちこ」 「アウトオオオ!」 何やら不安なことを言い切る前に、デオのドロップキックがヒーローの顔に直撃した。もんどりうって倒れるヒーロー 「はぁ……はぁ……いまだ!やれ!」 デオの掛け声と共に、戦闘員がヒーローに殺到する。その様相はさながら某怪盗三世を想起させるが、
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