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「でも、それって逆に格好よくない?肉弾戦で戦う科学者って」
ミズキ。それは科学者でいいのか?
「お前、それどこの本郷猛だよって話さね。それでいいのか悪役よ」
「悪役と認めていいのか!?」
………あ、いや、つい大きな声を出してしまった。でも………
「いーのいーの。私は悪役一本で頑張るから」
ミズキまで!?何故だ………何故悪役と決めつけるのだ………
「正義の裏的な話で悩んでいるところ申し訳無いけど、ミズキにはコレしか無いのよ。
………そうだね、確かに正義の裏は別な正義。うん。確かにそうだ。でもね?アスラ。この世には絶対に必要不可欠な『悪』があるんだよ。誰にでもわかりやすい絶対悪ってのが」
絶対…………?
「何がなんだかって顔しているけど、そうさなぁ、悪にしかなることが出来ない人間ってのが、世の中には居るわけさ。俺はまだ中立だけど、ミズキはどの次元でも悪にしかなり得ないさ」
な、なるほど。次元がミズキを拒絶するから運が悪くなるのか。
次元から拒絶されると言うことは、つまり次元にとってミズキは悪。消し去りたい異物でしかないのか。
「わかったようだな。つ「つまり、私が悪の組織をしている理由は、世界に留まるための必要条件ってわけ」………補足すると、悪役以外にもいくつか残る道はあるけど、それは人間として、女性として生きるにはキツいものだから悪役一択ってわけ」
ふむ、何となく察した。その程度なら、私には容易い。三百年もの孤独や、迫害に比べたら何倍も………
「うん。私は無理だね。体中に針を皮膚が見えなくなるまで刺されるとか正気の沙汰じゃないよ」
………えっ?
「俺的には体中に出来物が出来る方がキツい。鏡とか見れない。セルフお化け屋敷とかシャレにならないじゃん」
………………えっ?
「………そ、それは女である以前に、人として生きれないのでは………?」
むしろ、死んだ方がまし?
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