第一章・その者死人が如く

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~野郎のシャワーシーンなんざカットだカットォ!~ 「……」 (……弾薬、武器は心配ないが……食料がないな……明日買いに行くか……) シャワーから上がったソイルは迷彩シャツとトランクスのみを着用し、シャワーを浴びる前にリビングにあるソファーに立てかけていたSPR4からマガジンを抜き取り、テーブルの上に置き、大型バックパックに入っていた刀身に狼の刻印が彫られ、突き、斬撃の威力が高い特徴的な刃のコンバットナイフを手に取り、見つめる。 「……このナイフは、俺とロジャー、凶介の三人でテロリスト掃討作戦成功を祝って造った物だったな…」 電球の光に照らさせれてキラリとナイフの刀身が鈍く光った。ソイルはそれをジッと眺め、目を細める。 「………」 ナイフを握り締めると、ソイルの頭の中には様々な記憶が蘇っていた。 凶介、ロジャーの三人でこなした危険な任務の数々を…… コトッ ソイルはナイフをテーブルの上に静かに置くと、キッチンでコップに水を酌み飲み干す。 冷えた水がシャワーを浴びて火照っていた体を冷やしてくれる。 「………」 (……久々に帰って来たんだ。たまにはゆっくりゲームでもするか) ソイルはリビングの片隅にあるノートパソコンの電源を入れ、東方projectのゲーム『東方緋想天測』を立ち上げる。 「この格ゲーはなかなか、面白いからな……」 立ち上がり、キャラクター選択をするかとソイルがカーソルを動かした瞬間に異変は起きた。 突如、画面にノイズが走りパリパリと電流が流れる様な異音がリビングに響き渡る。 (マズイ!) とっさにソイルはノートパソコンの電源ボタンに手を伸ばすが、バチン!と強力な電流が電源ボタン付近から漏れだし、ソイルの手を遮る。 .
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