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「うっわぁ~…小さいっ!」
目をキラキラ輝かせてボロアパートを見る。
なんか想像以上だ。
あ、自己紹介が遅れました。
私の名前は、矧抹 愛理(はぎまつ えり)ですっ。
明日から新女子高生!
ちょっと今日は明日が入学式なので、自分の住むアパートの引っ越しを兼ねて入学する高校を見に来てます。
……よし………、
アパート見たし学校見に行くか。
私の家から学校へは徒歩20分。
意外と遠かったり…。
そういえば、ルームシェアの人まだ来てなかったんだけど誰なんだろ?
そうこうしている内に
なんだかんだで着いた。
聖華高校、とうちゃ~くっ。
…グリコのポーズっ!……な~んて、誰も見てないよね!?
思わずキョロキョロしてしまう。「ぶふっ!」
………え…?
見られた?
「……ぁ。」
あの人かあぁぁ!!
何かちょっと離れた所で、
ローソンの袋を持った背の高めの男性が腹を抱えながら笑ってる~。
恥ずかしいにも程があるよ……。
「え……え?」
両腕をおばけのようにして、
ウロウロする。
「あ、あんた……ぶっ。」
「な、何よっ!」
恥ずかしさのあまりに怒った風にしてしまい、これはまずったと思う。
「い、今何して……。」「ぐ、グリコのポーズ…。」
「あんた面白いなぁ。この辺にすんでんの?」
「え…?や、明日引っ越してくるんです。ホラあっちの方に見える…。」
「ふ~ん。成程ね…。」
「貴方は家この辺なんですよね。」
「あぁ、でも小さい引越しをちょっと。」
「へぇ~じゃあ御近所さんですね。」
すると怪訝な表情でこちらを見てくる。
「……?あ、あの…」
「それ。」
「へっ?」
そ、それ?
「敬語、いらない。」
「あ、わかりま……分かった。……ってか何歳?」
「…何歳にみえる?」
意地悪そうにおどける。
愛理はムッとして、少し睨む。
「分かんないから聞いてるのに……。」
「ははっ。ごめんごめん。17だよ。」
「ほんと!?」
「え、おう。」
「じゃあ、私の先輩だ!私、矧抹愛理っていうんだけど、やっぱり敬語の方が……。」
「……愛理……?」
え……何をそんなに驚いてるんだろう。
「え……うん。何で?」
「いや…何でもない、ちなみに敬語は無しだ。俺は金田憂(かなだ ゆう)だ。よろしくな。」
「えっと……仲良く出来たらいいねぇ。」
憂……?
どっかで……聞いた?
ってかこの人さっき意地悪な笑い方してたなぁ。
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