♪始まり(一章)♪

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「うっわぁ~…小さいっ!」 目をキラキラ輝かせてボロアパートを見る。 なんか想像以上だ。 あ、自己紹介が遅れました。 私の名前は、矧抹 愛理(はぎまつ えり)ですっ。 明日から新女子高生! ちょっと今日は明日が入学式なので、自分の住むアパートの引っ越しを兼ねて入学する高校を見に来てます。 ……よし………、 アパート見たし学校見に行くか。 私の家から学校へは徒歩20分。 意外と遠かったり…。 そういえば、ルームシェアの人まだ来てなかったんだけど誰なんだろ? そうこうしている内に なんだかんだで着いた。 聖華高校、とうちゃ~くっ。 …グリコのポーズっ!……な~んて、誰も見てないよね!? 思わずキョロキョロしてしまう。「ぶふっ!」 ………え…? 見られた? 「……ぁ。」 あの人かあぁぁ!! 何かちょっと離れた所で、 ローソンの袋を持った背の高めの男性が腹を抱えながら笑ってる~。 恥ずかしいにも程があるよ……。 「え……え?」 両腕をおばけのようにして、 ウロウロする。 「あ、あんた……ぶっ。」 「な、何よっ!」 恥ずかしさのあまりに怒った風にしてしまい、これはまずったと思う。 「い、今何して……。」「ぐ、グリコのポーズ…。」 「あんた面白いなぁ。この辺にすんでんの?」 「え…?や、明日引っ越してくるんです。ホラあっちの方に見える…。」 「ふ~ん。成程ね…。」 「貴方は家この辺なんですよね。」 「あぁ、でも小さい引越しをちょっと。」 「へぇ~じゃあ御近所さんですね。」 すると怪訝な表情でこちらを見てくる。 「……?あ、あの…」 「それ。」 「へっ?」 そ、それ? 「敬語、いらない。」 「あ、わかりま……分かった。……ってか何歳?」 「…何歳にみえる?」 意地悪そうにおどける。 愛理はムッとして、少し睨む。 「分かんないから聞いてるのに……。」 「ははっ。ごめんごめん。17だよ。」 「ほんと!?」 「え、おう。」 「じゃあ、私の先輩だ!私、矧抹愛理っていうんだけど、やっぱり敬語の方が……。」 「……愛理……?」 え……何をそんなに驚いてるんだろう。 「え……うん。何で?」 「いや…何でもない、ちなみに敬語は無しだ。俺は金田憂(かなだ ゆう)だ。よろしくな。」 「えっと……仲良く出来たらいいねぇ。」 憂……? どっかで……聞いた? ってかこの人さっき意地悪な笑い方してたなぁ。
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