♪始まり(一章)♪

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「ルームシェアの相手はやっぱりあんただったか……。」 「……やっぱりってどういうこと?」 「あの大家のばーさん俺のばぁちゃんなんだよ。」 「え!?そうなの?」 「そう、それで中途半端に聞いてたのがまずった。どうりで愛理って聞いた時どっかで聞いた事ある名前だと……。」 「私も思いました。」 ハイッと言わんばかりに 腕を振り上げる。 「だから敬語いらねぇって……。」 「だって私の先輩だし……。」 「俺がいいって言ってんだからいいんだよ。」 「はい……。」 「よし。」 大切なモノを撫でるように 頭を撫でる。 きもちいなぁ……。 眠くなってくる。 もっと温もりを感じたくて、 もっと撫でてほしくて、 撫でてる掌に頭を擦り付ける。 すると、自然に頬が緩んでしまう。 「………お前……なんつーか、無防備だな。」 「……え?」 「や、何でもない。」
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