1人が本棚に入れています
本棚に追加
葛藤
井の頭公園のパンチラ少女のことは、何故かフラッシュバックのように何度も思い出した。
それは必ず、少女の屈託ない笑顔とパンチラのセットであった。
「パンツを見たからどうなるんだ!?」という議論を高校時代に友人としたことがある。
「あー、ユミコのパンツみてえなあ。」
放課後、人のまばらな教室でケンは人に聞こえないように外に向かってつぶやいた。
「パンツ見るより、話しかけたらいいじゃん。」
正論を言うのはいつも私の役回りだった。
「バカっ、それができねえから見たいんだろが!」
言ってる事はわからないでもないが、パンツが見えたからといってせいぜい夜のオカズにするぐらいだろが・・・。
ユミコはクラスの高根の花である。小柄で小顔、かわいらしいタイプ。いつも笑顔を絶やさないが、誰とでもしゃべってくれるというざっくばらんなタイプでもない。少し警戒心が高いのだ。
だから、積極的に女の子に話しかけるクラスのイケメンぐらいしかまともにしゃべってくれない。
よって僕らクラスの下流には、しゃべるのもままならない遠い存在なのだ。
最初のコメントを投稿しよう!