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「珍しくギリギリだったね…。何かあったの…?」
HR終了のチャイムが鳴って、隣の少女が私に言った。
「…ちょっと寝坊しちゃって」
苦笑しながら答えれば、少女はキョトンッとしながら首を傾げた。
「……愛歌さんは起こしてくれなかったの?」
……起こしましたよ。
でもそれ以上に私が爆睡だったってだけで…
私が苦笑しながら朝の事を話すと、少女は、『…それは恋菜がいけないね…』と小さく苦笑した。
--赤織 秋菜(あかしき あきな)。
それが彼女の名前。
人見知りな性格だから、知らない人の前だとおどおどしてなかなか話せない。
けど、私は秋菜とは中学生の頃同じクラスだったから仲は良い。すっごく良い。
後で発覚したんだけど、秋菜の家は私の家の2つ隣なんだって。
何で今まで会わなかったんだろ…不思議だよね。
そう思いながら、私は引き出しから教科書を取り出した。
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