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一方3年生の教室では、一際目立つ大人っぽい美人少女が、頬杖ついて窓の外を見ていた。
「…………」
ただ外を見ているだけにも関わらず、その姿はとても絵になる。
そんな中、一人の少女が彼女の元に。
「……何か面白いものでも見つけたの?凛流」
「!…………小波」
小波の言葉に、凛流は頬から手を離して彼女を見上げた。
憐水 凛流(れんすい りんりゅう)。
正真正銘血の繋がった恋菜の姉。
生徒会会長で、容姿端麗。成績は上位。
彼女もまた、愛歌と同じくそれなりに完璧な少女だ。
「………いえ…。
今、恋菜が走って行ったのが見えたから…」
「恋菜が?
………珍しいわね。遅刻かしら?」
小波は一瞬目を見開いて、楽しそうに微笑した。
赤織 小波(あかしき こなみ)。
こちらも正真正銘血の繋がった秋菜の姉。
成績はそれなり。
容姿も凛流程ではないが整っている方だ。
小波の楽しそうな笑みに、凛流は呆れながら口を開いた。
「………自分の妹じゃないからって、楽しまないでくれる?
一応向こうは本気で走ってったんだから」
「…ごめんなさいね。つい」
凛流がそう言うと、小波は口元に手を当ててクスクスと笑った。
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