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バチバチと先程からずっと教室ドア前で火花を散らす私と雲雀恭弥にクラス中が怯えている。
正確に周りが怯えているのは雲雀だけなのだが……。
雲雀恭弥は並盛中学校の風紀委員兼不良の頭。
弱くて群れる人達は問答無用で叩き潰すと言うたちの悪い不良。
目を付けられたら最後。
それがこの学校の決まり事の様なモノだった。
そんな雲雀の事を怯えない生徒は片手でも余る位だ。
私のクラスも例になく毎日の様に教室に現れる雲雀に怯えきっているのだ。
「帰るよ」
「だ~か~ら~~、今日は部活動あるって言ってるじゃん。それ以前に誰が一緒に帰るか消えろ、去れ、変態」
雲雀に対して毒づく度にクラス中が怯えかえる。それでも引き下がらないのは私が雲雀恭弥を嫌っているからだろう。
「ちょっと音羽っ !! 」
「ちょっと音羽借りますっ!」
この空気はマズイと思ったらしく、綾と有美が慌てて私を教室へ引き込んだ。
「二人とも何?」
「『何?』じゃないよ!もう何してるのよ !! 雲雀さん今にも教室破壊しそうな勢いじゃないの !! 」
慌てふためく綾に対し私は言い切る。
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