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「もう話終わったのでっ !! 」
「無理矢理でも良いのでどうぞどうぞ !! 」
「こらァァァァ!親友を売るなっ!」
「じゃあ遠慮無く」
がしっと首輪に付いている鎖を握りしめて雲雀はずるずると私を教室から連れ出そうとする。
冗談じゃない!
私はどうしても野球部に顔を出さないといけない理由があるんだ。
「部活あるから絶対に帰らない!私が何処で何しようと勝手でしょ !? 」
ぐぃっと鎖を引っ張って抵抗をすると雲雀の奴はぼそっと呟いていた。
「………弱い奴等が群れてるの見ると潰したくなるんだよね」
「誰が弱い奴等だ―――― !!! 」
ぐわっと手をあげた私に綾と有美が飛びついてきた。
「音羽落ち着け――― !! 」
「駄目駄目駄目っ!雲雀さんだけは駄目だってば!」
がっしりと押さえつけられながらも私は暴れた。
百歩譲って私自身を馬鹿にされるのは良いとしよう。だけどたけちゃん……いや、野球部を馬鹿にされるのは我慢出来ない。
「だってコイツたけちゃん達の事馬鹿にしたんだよ―― !! 」
「『たけちゃん』?」
ぴくっと反応を示した雲雀に二人は慌てて私の口を塞ぐ。
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