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「たけちゃんどういう事 !? 」
ばっと病室へ駆け込むと其処には右腕をギブスで固定しているたけちゃんがいた。
「よお音羽」
へらっと手を振るたけちゃんに私は怒った。
「『よお』じゃないよ!何で怪我しちゃったの !? 」
そう言うとたけちゃんは苦笑いをしつつ答えてくれた。
「ちょっと野球の練習し過ぎたんだよ」
「骨折する位無理したの……?」
痛々しいたけちゃんの腕を見て私は黙り込んだ。
ここまでたけちゃんが思い詰めていたなんて知らなかったんだ。たけちゃんを置いて先に帰らなければ良かった……。
「音羽は気にする事ないからな」
ポンポンと頭を叩いてくれるたけちゃんはいつものたけちゃんだけど違う。
凄く辛そうな顔してる、無理してる。
「たけちゃ………」
「大丈夫だ」
にっこりと微笑んでくれたたけちゃんに何も言えなくなってしまった。
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