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次の日、たけちゃんが学校の屋上から飛び降り自殺をしそうになった。ソレを止めてくれた子がいたおかげでたけちゃんは無事だった。
無論私は怒濤の如く怒った。
「この馬鹿たけぇぇぇぇぇぇ !!!! 」
ぎゅむーっと両頬を思いっきりひぱってやるとたけちゃんは慌てて答えた。
「いででで!悪かったって !! 」
「おばか――― !! 」
なおも引っ張り続ける私の目は涙目だったと思う。
もしたけちゃんが死んでいたらと思うと………。
「音羽泣くなって」
ぐしぐしっと頭を撫でてくるたけちゃんに抱きついて呟いた。
「……たけちゃんまで母さん達みたいにいなくなったら嫌だ」
「音羽……」
死んだ母さん達を私は見た。血塗れで冷たくなった死体を。
たけちゃんまであんな風になったら嫌だ。
「……本当にもう大丈夫だから、な?」
「……約束だよ」
「おう、約束だ」
にこっと笑ってくれたたけちゃんはいつものたけちゃんに戻っていた。
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