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ーその日の夜ー
コンコン♪
「春花、入ってもいい?」
「いいよー。」
「お邪魔します。」
そう言って涼くんが部屋に入ってきた。
お互い部屋が向かい同士にあって、ベランダを越えて自由に行き来できるようになっている。
もちろんこんなことをしてるのは親には内緒だけどね。
「どうしたの?」
「あのさ、春花。
おれ、CDデビューすることになった。」
「……え?」
「だから、デビューすることになった。」
「嘘!?」
「本当。俺も今日聞いてびっくりした。デビューなんかできないと思ってたからさ。」
「何て言うグループなの?」
「“Hey!Say!JUMP”」
「へいせい…じゃんぷ。」
「うん、Hey!Say!JUMP。」
「そっか。そっか。おめでとう、涼くん!!」
「ありがとう。春花にはちゃんと伝えたくて。それだけだから。じゃあな。」
「うん、お休み!」
涼くんのデビューは嬉しかった。
でも、このデビューで辛い思いをするなんて知らなかった。
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