6人が本棚に入れています
本棚に追加
まだ残暑の残る9月。
全日本中学弓道選手権が行われていた。
「この大会終わったら、みんな離れ離れになるんだね…。」
「もっと、みんなと弓道やりたかった…」
こんな話をしていると(パーン、パシュ)っと矢を放ち、的にあたる音が響いていた。
「こら!まだ試合は終わってないの!暗い話は、この大会が終わってからにしなさい!ここに来れずに地区大会や県大会で終わりたかったの?私たちは県の代表なの!負けて帰るのは許されないから勝つしかないの!」
部長の唯がチームメイトを叱った。
「唯…」
「先輩…」
みんなが唯を見つめる。同い年の紗季が唯に聞く。
「唯はどうするの?進路。あなたなら、全国の強豪からスカウト来てるんじゃない?」
「それは…」
実際に唯の元には全国の強豪高から、スカウトの人が来たりしていた。
「私は、今は考えたくない!今は、この大会に集中したいの!」
唯が答えた。
「唯らしいわ。」
紗季が言う。
そうこうしているうちに、唯たちの中学の番が回ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!