弓道部の要

2/5
前へ
/23ページ
次へ
まだ残暑の残る9月。 全日本中学弓道選手権が行われていた。 「この大会終わったら、みんな離れ離れになるんだね…。」 「もっと、みんなと弓道やりたかった…」 こんな話をしていると(パーン、パシュ)っと矢を放ち、的にあたる音が響いていた。 「こら!まだ試合は終わってないの!暗い話は、この大会が終わってからにしなさい!ここに来れずに地区大会や県大会で終わりたかったの?私たちは県の代表なの!負けて帰るのは許されないから勝つしかないの!」 部長の唯がチームメイトを叱った。 「唯…」 「先輩…」 みんなが唯を見つめる。同い年の紗季が唯に聞く。 「唯はどうするの?進路。あなたなら、全国の強豪からスカウト来てるんじゃない?」 「それは…」 実際に唯の元には全国の強豪高から、スカウトの人が来たりしていた。 「私は、今は考えたくない!今は、この大会に集中したいの!」 唯が答えた。 「唯らしいわ。」 紗季が言う。 そうこうしているうちに、唯たちの中学の番が回ってきた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加