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「さて、だと?見つからない様では困る」
若い男に背を向けたまま、初老の男が言い放つ。
「そもそも、君という人間が此処へ出入りできるのは、こういう事態を未然に防ぐ為……という名目だったはずでは?」
それは尋ねるというより、再認識させるかのように、若干の皮肉が込めてあった。
「……返す言葉も有りませんな。いやはや全く、おっしゃる通りで」
男は薄く笑った。
元々、軽薄な人間なのだろう。無責任さを隠しもしない発言だったが、初老の男は特に気にする様子はない。
或いは、こうなる事を予測していたのかもしれない。
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