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「随分と遅かったじゃないか、トレース。こっぴどく叱られたか?」
先程の若い男が外に出ると、底意地の悪そうな笑みを浮かべた少年が彼に駆け寄った。
男はトレースというらしい。
名前を呼ばれた当の本人はというと、少年の姿を一瞥し深く溜め息を吐いた。
「クリフお前……ひょっとすると、ずっと待ってたのか?」
「うん、最初は帰ろうかと思ってたけどね。待ってた方がきっと面白いと思ったから」
予想通り、とつけ加えて少年もといクリフは笑った。
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