プロローグ

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数時間前、D.Cゲノム研究所にて。 激しく雨の降る夜。 研究所内では雨に同調するように、サイレンがけたたましさを増していた。 「No.6が脱走した!至急見つけ出せ!」 白衣を纏った所員の一人が叫んだ。 慌ただしく足音を響かせ、右往左往する者、爪を噛みながら手元の資料を確認する者、様々である。 「こりゃ、大事になってきたな……、俺も仕事しますかね」 黒ずくめの男、トレースが呟いた。 軽く息を吸って一言、 「緊急召集っ!」 叫んだ。 ひと呼吸おいて、トレースと同じように黒い出で立ちの集団が現れた。 口元を覆っている為、表情や顔は伺えない。
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