第一邂逅

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体調は悪くない。朝もいつも通りだったし、授業前までも普通だった。 原因となるならそれは…さっきの夢だろう。 「体調は、大丈夫です。すみません、ありがとうございます」 「そぉかぁ?キツかったら無理すんな?」 はい、と答えて授業に戻る。 くしゃくしゃのノートが夢に苦しんだ自分を示す。 そんなに悪い夢じゃなかったと思うのだが…何故? などと考えている間に授業が終わり、休み時間となった。 「…大丈夫かー?」 隣の席の友人が授業中の有馬と同じように、俺を心配そうな顔で覗き込む。 「大丈夫だって。ちょっと夢見が悪かっただけだから」 「そうか?…有馬も言ってたけど無理だけはすんなよ」 「おぅ。心配サンキュ」 心配性な彼らが可笑しくて少し笑ったら何か楽になった気がした。
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